Round 8 寺西 隆鎮 vs 岡田 尚也

By Yukio Kozakai

ついにあと1戦を残すのみとなった。予選通過人数は14名。まだ明確なラインは見えていない現状で、ほぼ確定とされているプレイヤーは、5名程度に過ぎない。残る10近くの椅子をかけて、会場内のいたる所で最終決戦の火花が散る。

その最激戦区の一つが、17点の寺西と16点の岡田が争うこの11番テーブルだ。もちろん、それがフィーチャーエリアに彼らが招かれた最大の理由。引き分けすら許されない、絶対に負けられない最終ラウンドが始まろうとしている。

寺西は、白緑セレズニアの“ガジーの輝き”。岡田は黒緑+青のクロックパーミである。



Game1
ダブルマリガンスタートの寺西だったが、《番狼/Watchwolf》2体を通すなどマリガン後を感じさせない展開。岡田の方は、手札に《化膿/Putrefy》を抱えるが黒マナにめぐり合えず、《番狼/Watchwolf》を捌けない。

1歩遅れで黒と緑を揃えて《番狼/Watchwolf》を除去し、坦々と土地を並べるがすでに岡田のライフは残り8。《迫害/Persecute》で寺西の《輝く群れ/Shining Shoal》を落とすも、後続は《極楽鳥/Birds of Paradise》のみ。続くアタックも通してしまい、盤面へのアクセスがおぼつかない。


しかし、この《極楽鳥/Birds of Paradise》がキーだった。これが《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》の忍術となり、寺西の墓地にあった《番狼/Watchwolf》を陣営に加えて盛り返すと、《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を装備させて、圧倒的に場を制圧にかかる。

このままでは敗北必至な寺西も、《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》を召喚し、抵抗を試みる。しかし十手の力は如何ともしがたく、手札も空になった以上、トップから何かを引いてこなければならない。だが、そこで力強く引き込んできたのは《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》だ!

《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》で生贄に捧げ、岡田のアンタップを奪う。が、何かまた引かなければ元の木阿弥。そこで再び《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を引き当てて、ギャラリーも最大の盛り上がりを見せる!

……のだが、根本的な解決には至らず。寺西はよく健闘したものの、長い長い第1ゲームは岡田が奪取したのだった。


寺西 0-1 岡田

Betrayers of Kamigawa
ニンニン、墨目

Game2
第1ゲームが終わって両者が気付いたのは、この戦いに引き分けが許されない事だ。先ほどまでとはうって変わって、両者の動きは素早い。何しろ、残り時間は20分を切ろうかというところまで、第1ゲームは白熱していたのだから。

岡田は考えられる最速の展開で、《極楽鳥/Birds of Paradise》《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》と展開し、寺西の《極楽鳥/Birds of Paradise》は《差し戻し/Remand》。このまま一気に《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》でゲームを終わらせるつもりだ。

寺西は《制圧の輝き/Glare of Subdual》を場に出すが、タップ要員の《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》には即座に《化膿/Putrefy》が飛んでくる。岡田はというと、手札が切れかけたところで《闇の腹心/Dark Confidant》を引き当てるなど、とにかく完璧な回りを続ける。


予選通過、岡田!
苦笑いと共に、寺西は《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》を送り込んではみるが、すでにハンドも尽きた寺西に対抗の手段は無かった。


最高の回りで、本来苦手とする白緑を封殺した岡田。恵まれない展開で苦しい戦いを強いられたが、最後まで諦めを見せずに戦い抜いた寺西。両者とも、清々しい戦いぶりだった。岡田の予選通過は現状では何とも言えないが(追記:岡田は見事に予選通過を果たした)、ともあれ最後までボーダーライン上で激戦を繰り広げた両者に拍手を送ろうではないか。


寺西 0-2 岡田

Result:寺西 Wins!